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日本の出生率が9年ぶりに前年を下回る

厚生労働省によると、2014年の日本の合計特殊出生率は前年から0.01ポイント減の1.42である。2005年の1.26を底として緩やかに上昇してきていたが、今回で9年ぶりの低下となってしまった。さらに、年間出生数の100万人割れも目前であり、日本の人口減少が深刻な事態となってきている。

日本の出生率は1950年には3.65であったが、2010年には1.39と60年間で2ポイント以上減少している。(下図は、厚生労働省「平成24年人口動態統計月報年計(概数)の概況」の参考資料「合計特殊出生率について」をもとに作成)

< 日本の出生率推移 >
年次
合計特殊出生率
1950 3.65
1955 2.37
1960 2
1965 2.14
1970 2.13
1975 1.91
1980 1.75
1985 1.76
1990 1.54
1995 1.42
2000 1.36
2005 1.26
2010 1.39

このような事態に陥った原因はいくつも存在するが、やはり晩婚化・未婚化が進んでいること、そしてそれに伴う出産年齢の上昇が大きいであろう。経済不況や貧富の差の拡大などから、結婚を先延ばしにしたり、結婚せずに独身のままでいる人が多くなってしまっている。その結果、20代での出産が激減するということになってしまったのだ。(下図は、各年の厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」の「結果の概要 4.婚姻」をもとに作成)

< 平均初婚年齢の推移(歳) >
年次
男性
女性
2003 29.4 27.6
2004 29.6 27.8
2005 29.8 28.0
2006 30.0 28.2
2007 30.1 28.3
2008 30.2 28.5
2009 30.4 28.6
2010 30.5 28.8
2011 30.7 29.0
2012 30.8 29.2
2013 30.9 29.3
2014 31.1 29.4

この人口減少問題は日本の将来を考える上で非常に重大な問題であるので、官民一体となって取り組んでいかなければならない。
そのためには、結婚のハードルを下げることが一番重要になってくる。政府は結婚がもっとしやすくなる政策を打ち出し、結婚後の出産、育児をしやすい環境を作っていかなければならない。